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DAY1: 一晩だけの約束が、、、、

 

子犬のミズ ビーとの出会いは、彼女にとっては全く予想もしない突然の出来事だった。

 
 
彼女に初めて抱かれた子犬のミズ ビーは優しく大人しく彼女を見つめ、
 
 
あなたを信じます。
 
大人しくしますから、私を連れて行って下さい。
 
 
そう言っているかのように見えた。
 
 
彼女も、
 
 
こんなに、か弱く優しい子犬ならば、育てるのも楽だろう。
 
 
そんな風にも思った。
 
 
車の助手席に子犬のミズ ビーを乗せると、一生懸命に立ち上がってジャンプして窓から外を見ようとしては、それが出来ないで、席の上でもがいてお腹を見せたりして、その可愛さに、彼女は微笑まずにはいられなかった。
 
 
そして、
 
 
こんな風に最後に笑ったのは、いつだっただろう?
 
 
と思うほど、自分の生活に光が全く無かった事に気が付いた。
 
 
しかしながら、その時の彼女には、そんな過去を振り返っている暇など無かった。
 
 
子犬のミズ ビーは生きるために、彼女を必要としていた。
 
 
もう夕方で、彼女は暗くなる前までには、子犬のミズ ビーに必要な物を取り敢えず揃えたかった。
 
 
動く車の上で、上手くバランスが取れない子犬のミズ ビーは、転がりながらも、運転する彼女に必死でリーチしようとしていて、すでに、彼女とのボンドのサインを見せ始めていた。
 
 
「 待っててね! すぐに帰って来るから。あなたのご飯を買って、アパートに帰ったら、一緒に遊んであげるからねー!」
 
 
車を出る前にそんな風に話しかけ、パピー用の缶ずめを、いくつか急いで買って店から出ると、子犬が激しく泣いているのが聞こえた。
 
 
まさか、あの大人しかった子犬であるわけはない、
 
 
そう思いながら、駐車場へ向かうと、彼女の車の助手席で窓を目がけて何度もジャンプして甲高い声で泣いている子犬のミズ ビーが見えた。
 
 
ミズ ビーは、彼女の隣に停めていた車に乗っている男性に吠えまくっていた。
 
 
彼女が急いで運転席のドアを開けると、彼女に向かって走り寄り、思いっきり小さな尻尾を振って喜んだ。
 
 
出会ったばかりで、ましてや、こんなに小さくて幼いのに、すでに、彼女を自分の飼い主と思っている、そして、彼女や彼女の車を守ろうとしている、
 
 
彼女は、そう思い、目が熱くなった。
 
 
だが、泣いている暇など無かった。
 
 
それは、彼女が運転席に座って、思った事は他にもあったからだった。
 
 
座ってから気付いたことだったが、そこは、ミズ ビーのオシッコでビッショリと濡れていたのだ。
 
 
車は、ほとんど新車だったが、そんなあどけない子犬のミズ ビーを怒る気持ちには成らなかった。
 
 
また、捨てられたと思って不安になったのかもしれない、
 
 
そう思って、可哀想に成った。
 
 
アパートの駐車場に車を停めて、濡れたお尻を見られないために、誰もいないのを確認してから、ミズ ビーを抱えて、急いで、アパートに帰って、ミズ ビーをカーペットの上に置くと、ミズ ビーは、猛スピードでリビングを駆け回った。
 
 
そして、気持ち良さそうに、オシッコをした。
 
 
あぁ〜〜、また〜〜?!
 
 
そう思ったが、考えてみたら、子犬なのだから当たり前の事だった。
 
 
その後のその夜の事は、あまり憶えていないほど忙しくバタバタしていて、ミズ ビーがリビングで眠りだしたのを確認してから、彼女はベッドルームに行って寝だした。
 
 

それが、それから、そんなに時間が経たない内に、ドアの外で仕切りに泣くミズ ビーに気がついた。

 
 
無視すれば、諦めるか、その内、疲れて寝るだろう。
 

躾けは、初めが大切。

 
 
そんな風に思って無視したが、泣き声は止まることなく、そして、まるで、ドアに体当たりでもしているかのような音が繰り返された。
 
 
そのまま、放って置いたら、アパートの住人からクレームがつくかもしれないと不安に思った彼女が起き出してドアを開けると、嬉しくてしょうがないと言った様子のミズ ビーがいた。
 
 
リビングで、ミズ ビーを撫ぜだすと、ミズ ビーは安心したのか、また、眠り出した。
 
 
だが、彼女が1人で、ベッドルームに行って寝だすと、ミズ ビーは、すぐに起き出して、また同じように泣き騒ぐの繰り返しで、とことん困った彼女は、
 
 
とうとう、絶対に、してはいけないと、自分自身に誓っていた約束を破ってしまった。
 
 
その約束とは、子犬を自分のベッドで寝かせない事だった。
 
 
しかしながら、
 
 
アパートを子犬の泣き声のために出されては、彼女もミズ ビーも物凄く困る事になるわけだから、仕方なく、
 
 
「 今晩だけだよ! いい? 今晩だけ!」
 
 
そう言って、ミズ ビーをベッドに上げると、ミズ ビーは足を彼女にシッカリと付けて、満足そうに寝だした。
 
 
 
 
 
 
今晩だけ?
 
 
彼女にとっては、一晩だけのつもりでも、
 
 
ミズ ビーにとっては、、、、
 
 
ご想像に、おまかせします。
 
 
 
 
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