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ペットの剥製

 



ミズ ビーの息が止まってしまった二日後の焼き場に向かう車の中で、彼女が下を向きながら、
 
 
「 私ね、亡くなったペットを剥製にする人達を、なんて、酷い事をする人達なんだろう、理解できないって、ずーっと思って来た。だけどね、こうしてミズ ビーが死んでしまって、、、、毛だけでも残したい、剥製にしようかなって真剣に考えた。」
 
 
そこまで言うと、運転していた彼は、驚いた顔をして、横に座っている彼女を一瞬、見た。
 
彼女は、彼の視線に気がついても下を向きながら、ちょっと鼻で笑うようにして、
 
 
「 わかっている、とんでもないことを言っているってことは。だけど、本当に、そう思えて、ペットを剥製にする人達の事を以前よりは理解できるように感じた。そして、クレージーとか残酷だとか言って、悪かったなぁって思った。結局、同じ状況にならなければ、わからないってことよね。」
 
 
と言って鼻をすすった。
 
彼は、正面を見つめながら、
 
「 剥製は、可哀想だ。ミズ ビーを、そんな目に合わせたくない。」
 
そう静かに言った。
 
 
「わかっている、そうするべきじゃないって、わかっている。だけど、その一方で、ミズ ビーのスピリットは、もう、そのボディから抜けてしまっているだろうから、毛だけ残してもいいかなぁって思ったりして、、、、でも、そのプロセスを考えたら、気持ち悪くなっちゃって、出来ない、そうするべきじゃないって思うの。私、ミズ ビーを愛し過ぎちゃったかなぁ? それとも、これって、飼い主のエゴ? わからない。自分自身がわからなくなっている。」
 
 
彼女が、そんな風に話して間も無く、車は、予約した時間のちょっと前に、焼き場の駐車場に着いた。
 

とうとう、この日が来てしまったか、、、、

ここで、ミズ ビーが焼かれるとは、、、、
 
彼女が、そう思っていると、
 
「 準備が 出来たら、言ってくれ!」
 
そう、彼は言い、彼女は、
 
「 準備は出来ている。」
 
と言って、車のドアを開けた。