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Black Coat

新しいウインターコートを買ったら、まだ十分、着れて、シミやホツレなども無い、誰をも暖かくしてくれるような他のコートを寄付するようにしている。

 
自分が1度でも袖を通した物を、いくらタダと言えど他人に着てもらうのは、どうかなぁ〜っと、ずっと思っていたが、コートが必要なのに無い人達や、ましてや、1日の大半や寝る時でも車の中や外で過ごさなければならないホームレスの人達にとっては、コートは必要不可欠だと気付いてからは、新しいコートを選ぶ時も、寄付する時のことを考えて買うようになった。
 
しかしながら、
 
今年は、まだ新しいコートを買っていないし、古いブラックコートは寄付したはずだから、困ったなぁ〜と思った。
 
かと言って、今年は、買い物をする気にならない。
 
ミズ ビーのいないクリスマスやホリデイを思うと、楽しい気分などには成れない。
 
ただひたすらに哀しくなる。
 
彼に涙を見せたくないと思って、ひたすら、1人の時に涙を出し切るようにしている。
 
ミズ ビーの夢を見て、目が覚めてから、覚めたことに落胆する。
 
そして、
 
2人でベッドの上で日に当たりながら昼寝をして、目が覚めた時に、ミズ ビーの鼻の前に手を当てて息をしているのを確認した時の喜びが、過去の事であったことを認めなければならない事に苛つく。
 
やっとの思いでダンボール箱を押し入れから出して開けて見たら、去年、寄付したと思っていたブラックコートが入っていて、
 
『 なぜ、ここに? 』
 
と、驚きながら取り出して見ると、ミズ ビーの毛が数本付いていた。
 
ブラックシャツには1本も付いていなかったのに、

 

aoifox.hatenadiary.com

 

 
ブラックコートには、まだ、付いていた。
 
寄付する物には1本の犬や猫の毛が付いていてはいけないと、言われたことがあった。
 
覚えていないけれど、一生懸命、毛を取り去ろうとしたようで、ミズ ビーの毛は、ほんの数本しか付いていなかった。
 
ミズ ビーの思い出と繋がっている洋服は寄付するか捨てた方が良いと、あの時は思っていた。
 
そうでなければ、前に進めないと思ったからだった。
 
それなのに、今もまだ持っていたと言う事は、ミズ ビーの毛をどう頑張っても取り去ることが出来なくて、捨てることも出来なくて、あきらめて、結局、箱の中に入れたようだ。
 
ブラックシャツに、1本でもミズ ビーの毛が付いていて欲しかったのにと泣いてミズ ビーにお願いしたのを、ミズ ビーは聴いていたに違いない。
 
『 今に気付くよ。あの箱を開けて、ブラックコートを見つけたら。寒くなってから、マミーがあのブラックコートを着出すと、いつも、ウキウキしたよ。だって、一緒に外に出るサインみたいなものだったもの。』
 
そんな風に思いながら、ミズ ビーは、子供みたいに泣いている彼女を、そばで、いつものように心配そうに見ていたのかもしれない。
 
聴いたことがある。
 
願えば、そして、それを口にすれば、その願いが叶う時があると。。。。
 
彼女は、思った。
 
 今年も、このブラックコートは寄付できない。。。。
 

ミズ ビーに、このコートを着せて一緒に焼いてもらえば良かったのか?

 
それとも、
 
こうなる運命だったのか?