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線の上の点

ハイスクール、カレッジ、そして、プロの如何なるゲームであっても、勝ち、負けの結果がゲームの全てだと彼は言う。

 
 
 
結果は、もちろん大切なことには違いないが、どのようにして勝ったのか、負けたのかのプロセスを観たいからゲームを観るのだと彼女は言う。
 
 
 

「 スコアーと言うのはナンバーよね? 勝たなければ、プレイヤーとしてゲームを終わらせたことにはならない。だけど、、、、そのスコアーにたどり着くまでのプレイヤー達を観るのが好きなの。それぞれの表情を観ながら、今、何を考えているのだろう? って思ったりして。」

 
 
 
毎日、今でも、ミズ ビーのことを思わない日は無い。
 
 
 
しかしながら、
 
 
 
彼女が思い出すミズ ビーは、いつも、同じぐらいの年齢であるわけではなく、出会った頃のベイビーであったり、元気いっぱいの成犬であったり、歩けなくなって、いつも涙を流していた老犬であったり、そして、、、、その後の思い出だったりと、ミズ ビーが、この世に生まれて来て彼女と会った時からのあらゆる一瞬の記憶が予告なしに突然、彼女の頭に蘇るのだった。
 
 
 
ミズ ビーの歴史の上では、古い出来事が新しい出来事の前に存在するわけだが、今の彼女にとっては、その順番は崩され、それぞれの思い出が、点と成って、彼女の頭の回りを浮遊しているかのようなのだ。
 
 
 

人も動物も、生誕と言う始まりがあり、死と言う結末がある。

 
 
 
それだけを考えたら、生まれた時を0として何歳まで生きたかのナンバーと、その2つの点を結んだ1本の線が、それぞれの歴史となるだけで、ちっとも面白くない。
 
 
 
しかしながら、
 
 
 
生きている間に、それぞれに、嬉しいことも悲しいことも楽しいことも辛いこともと色々なことがあり、それが多くの点と成って、それぞれの1本線上に乗ったり重なったりしてカラフルに成って行くから、生きる価値があるように思う。
 
 
 
そして、
 
 
 
ミズ ビーとの思い出は、彼女の線の上に多くの点となって重なるようにして光を放って輝いているように彼女には思える。