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星のミズ ビー

週末は、けっこう元気だったのに、月曜日に成った途端に、急に大きな重い漬け物石に押さえ付けられているように、頭も心も体も重〜く感じて、彼女は、なかなか物事に集中出来ないでいた。

 
 

 
 
取り敢えず、頭をあまり使わなくても良い家事でもしようかとしてみるが、
 
 
 
何だか、別人になったような気がして、
 
 
 
嬉しくも、悲しくも感じず、
 
 
 
ただ虚しくなったりしながら料理しても、
 
 
 
美味しくなるはずは無く、
 
 
 
彼も、困り気に、食べているように、
 
 
 
彼女の目には映った。
 
 
 
「 おかわり、する?」
 
 
 
と、彼女が、わざと訊いても、
 
 
 
彼は、彼女とは目を合わさず下を向きながら、
 
 
 
「 お腹いっぱいだから、いらないよ。」
 
 
 
と、彼女が思った通りの応えが返って来た。
 
 
 
「 ねぇ、リトル プリンス ( 星の王子様 ) の映画、観たことある? 」
 
 
 
彼女が彼に訊くと、
 
 
 
彼は、映画どころか、話自体を知らないと言った。
 
 
 
彼女は、
 
 
 
じゃあ、話しても無駄か〜、、、、
 
 
 
そう思い、午後の昼寝の起きがけに見たミズ ビーのことを話すのを躊躇った。
 
 
 
最近、週日になると、孤独感に押し潰されそうになり、取り留めのないことを考えて、結論に達する事は無く、甘えに似た疲れと虚しさを感じていた。
 
 
 
そして、思うことは、
 
 
 
『 ミズ ビーがいたら、、、、こうなってはいないだろうなぁ、、、、なっている暇など無かったもの。』
 
 
 
そう思って、涙が一瞬、溢れ、
 
 
 
『 泣いたって仕方ないじゃない?!もう、此処にはいないのだから!!』
 
 
 
そう自分自身に言って、自分で自分を励ます自分に、虚しくなるのだった。
 
 
 
『 こんな時は、ベッドに横に成って、目を閉じて、目と体を休ませよう、、、、』
 
 
 
そう思った。
 
 
 

そして、彼女は、眠ってしまった。

 
 
 
30分ほどして、身震いしながら目が覚めると同時に、
 
 
 
ミズ ビーが彼女を微笑みながら見ながら、
 
 
 
星が散りばめられた夜空に、
 
 
 
姿、形を星で囲まれながら、
 
 
 
宇宙飛行士のように、
 
 
 
飛んで行くのを見た。
 
 
 
ベッドから起き上がって歩くと、心も体も軽くなっていた。
 
 
 
 ミズ ビーの笑顔が、観れた、
 
 
 
そう思うと、彼女は嬉しくてたまらなかった。
 
 
 
 星の王子様みたいに、ミズ ビーが、限られた短い時間を地球で過ごしたとしたら、、、、
 
 
 
ミズ ビーは、彼女に、そう思わせて、彼女の苦しみを和らげようとしたのかもしれない、、、、
 
 
 
そんな風に、彼女は思った。
 
 
 
彼に、そのまま言ったら、
 
 
 
「 全ては、君の脳が作り上げたものなんだよ! 君は、それに気付かないだけだ。脳と言うのは、実に不思議なものなんだ。」
 
 
 
と、また、言われるかも知れないし、
 
 
 
そうかも知れない。
 
 
 

ただ、彼女は、2度と同じシーンのミズ ビーを、この先、観ることは無いかも知れないと思ったので、

 
 
 
忘れずに憶えていたい、
 
 
 

と、強く思うと同時に、

 
 
 
7月4日は、アメリカ中で、ミズ ビーが嫌いだった花火がたくさん空に打ち上げられるから、
 
 
 
ミズ ビー、かわいそう、、、、
 
 
 
そう思いながら、夜空を見上げるのだろうなぁ、、、、
 
 
 
そう思った。