洗濯機が回るのを観ながら

彼女は、洗濯機のガラスドアを通して洋服が回るのを観ながら、思った。

 
 
 
また、観ちゃった。、、、、
 
どうして、いつも、観ちゃうのだろう?
 
 
 
と。
 
 
 
そして、前夜に観た、今の所、完治は不可能とされている癌と日々、戦っている男性の言葉を想い出した。
 
 
 
 
『 医者に、後、どれ位、生きられるのかを訊いたら、3週間と言われたんだ。普通の人にとっては、3週間は、ただの3週間でしかないわけだけど、3週間の命と言われたら、1日、1日が、とても、とても貴重な日となり、ただ息をしているだけでも、物凄く感激するんだ。』
 
 
 
 
男性は、目を鋭く輝かせて、そう、力強く言っていた。
 
 
 
日々、辛い治療に耐えながら、生きることに情熱を持って、癌と戦っている男性を見て、
 
 
 
彼女は、
 
 
 
 

何故、

 
こんなに生きたくてたまらない、
 
そして、
 
多くの人に好かれている、
 
この人が、
 
重い病気になって、
 
死の宣告を受けるのだろう?
 
 
 
 
生きられるのに、
 
死にたくてたまらなくて自殺してしまう人がいるのに、、、、。
 
 
 
そう思うと、哀しかった。
 
 
 
そして、
 
 
 
その男性は、彼女みたいに、こんな風に、洗濯機が回るのを観たりして、時間を無駄に使ったりしないだろう、
 
 
 
と同時に、
 
 
 
こうして、洗濯機が回るのを観れる時間があることに、自分は、感謝することなど、無かったかもしれない、
 
 
 
と思った。
 
 
 
 
 
当たり前のことが出来る、
 
 
それなのに、
 
 
自分が得られない物に対して不満だったり、
 
 
差別や不公平に憤慨したり、
 
 
泣いたりしていたことに、
 
 
自分の人間としての小ささを感じた。
 
 
 
 
多くの人達は、
 
 
 
『 死んだら、おしまいだ!』
 
 
 
と、言うかも知れない。
 
 
 
しかしながら、
 
 
 
死と前向きに戦い、
 
 
 
生きたい、
 
 
 
生きようとする人達、
 
 
 
動物達を目の前にする時、
 
 
 
彼女は、生きることの原点を感じ、
 
 
 
忘れてはいけない、
 
 
 
そう思う。