読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ソーメン

彼女の週日の昼食は、ひとりで食べるのが通常だから、食べたい時に食べたいものを食べたいだけ食べれるわけで、

 
 
 
それに、食べたくなければ食べなくても良いわけだが、
 
 
 
お腹が空いては何も出来ない彼女にとっては、
 
 
 
ひとりでいる時に、お腹が空くと、ガッカリしてしまうのだった。
 
 
『 ひとりで食べるの、美味しくない、、、、』
 
 
 
そう思いながら、溜め息をつきながら
 
 
 
『 ソーメンでも食べるか?』
 
 
 
お湯を沸かして、ソーメンを茹でて、水で洗って、ザルに入れて、水を切ってと言ったお決まりの儀式を終えて、市販のストレートツユで、
 
 
 
『 仕方ない、今日も、ひとりでソーメン、食べるか、、、、』
 
 
 
そう思った時に、ミズ  ビーの顔が浮かんだ。
 
 
 
老犬と言われる部類に入ってから、ミズ ビーは、彼女の食べているものを欲しがるようになった。
 
 
 
なぜだか、肉を欲しがることは無かったから、彼と彼女は、
 
 
 
『 ミズ ビー、ドクターに言われたことを理解したのかなぁ? 』
 
 
 
と言い合って、親バカ丸出しで、頭の良い犬だと感激したものだった。
 
 
彼女がミズ ビーの健康食をネットでサーチしたところ、ウドンやソーメンは消化も良くて、あげすぎなければ、糖分過剰にもならないと言う事だったので、ミズ ビーが好むのであればあげてみようと思って、あげたら、
 
 

 

『 こんな美味しい物、なぜ、今まで、ひとりで独占して食べて、くれなかったの?』
 
 
 
とでも言いたいかのように、ミズ ビーは必死になって食べた。
 
 
 
特に、ソーメンを食べる時は、おちょぼ口になって、スルッスルッと食べて、とても可愛かった。
 
 
立てなくなって寝たきりになって目が虚ろになっても、ソーメンを食べた。
 
 

そんなミズ ビーに、彼女は、

 
 
 
「 マミーと一緒で、日本食が好きなんだよね。、、、、ごめんね、日本に連れて行ってあげなくて、、、、」
 
 
 
そう言ったのを憶えている。
 
 
 
ソーメンをひと摑みして、小さなボウルに入れて、
 
 
 
「 ミズ ビーの好きだったソーメンだよ。一緒に食べよう。」
 
 
 
そう言って、ミズ ビーにお供えした。
 
 
 
ミズ ビーと実際に一緒に食べられないのは、とても残念なことだったけれど、彼女は、そのソーメンをいつもより、ずっと美味しく感じた。
 
 
 
そして、気付いたことは、
 
 
 
ミズ ビーと歩くことにしても、ドライブも、
 
 
 
そして、
 
 
 
ソーメンを食べることも、
 
 
 
『 一緒に 』
 
 
 
したからこそ、最高に楽しくなって、
 
 
 
ミズ ビーは、彼女にとって、犬とかペットとかと言うより、
 
 
 
『 人生のパートナー 』
 
 
 
みたいな、そんな存在だったと言うことだった。
 
 
 
( あなたにとっての大切なパートナーは誰ですか? 今、いなくても、見つけたら、大切にしてあげて下さいね。)