サンシャインとクールなエアー

 

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急な出会いで、仔犬のミズ ビーと一緒に暮らしはじめて、彼女はパピー教育に目覚めて、ミズ ビーの食事と散歩を終わらせた後は、ミズ ビーを車に乗せて、夜遅くまで開いていて立ち読みも座り読みもOKの本屋へ行って、パピーの養育書を読みあさった。

 
 
 
その間、可哀想に、ミズ ビーは、車の中で、ひとりで彼女を待たなければならなかった。
 
 
 
「 あなたのためだから、お利口さんにして待っていてね! 」
 
 
 
そう言っても、彼女とは片時も離れたくないミズ ビーには辛かったことだろう。
 
 
 
あの時は、彼女は彼とも出会っていなかったし、近い将来、彼女とミズ ビーの生活に誰かが加わることになるとは想像もしなかった。
 
 
 
そして、むしろ、アメリカに多い、いわゆるシングルマザーの仲間入りをしたような気になって、
 
 
 
 シングルマザーって大変だなぁ〜、
 
 
 
と思ったりもした。
 
 
 
なぜ、そう感じたかと言うと、
 
 
 
自分の姿とは違う姿の子供でも、そして、自分のお腹を痛めた子供では無くても、自分の子供として幸せにする義務があると思ったからだった。
 
 
 
 
『 この子の将来は、私次第かも知れない。この子のためにも、幼い時に、出来るだけ、して良い事と悪い事、そして、犬として人間社会を生き抜く術を教えなければ、この子は不幸になるかも知れない。』
 
 
 
 
などと、真剣に思った。
 
 
 
その1つの理由には、その時の彼女には、アメリカに、どのくらい住むのか、住めるのかが予想できない状態で、ミズ ビーを日本に連れて行くことにも確信が持てなかったからだった。
 
 
 
なぜなら、長時間の飛行機での物と同じ場所に置かれて郵送されて、寒さやストレスのために亡くなってしまったり、日本に着いても、いろいろ検査されて、もっとストレスを受けて、その時に病気に成ったり亡くなってしまう犬達もいると聞いたからだった。
 
 
 
彼女が、その時、ミズ ビーの将来に願ったことは、安全で愛情をたっぷり注がれる場所で、出来るだけ長生きして、命の火が尽きるまで幸せに暮らして欲しいと言うことだった。
 
 
 
 
『 日本に帰らなければならなくなって、ミズ ビーをアメリカに残して行かなければならなくなった時には、何が何でも、この人なら大丈夫と確信できる人にミズ ビーを預けて行かなければ成らない。そして、ミズ ビーの生命の火が燃え尽きるまで一緒にいてくれると固く約束して貰える人でなければ成らない。』
 
 
 
 
そう思うのは当然の事だったが、
 
 
 
 
『 ピュアブリードでないミックス大型犬を貰ってくれる人がいるのだろうか? 超ハイパーで力が強いゆえに、ミズ ビーがリードを引っ張る力に負けて、リードを離してしまって、ミズ ビーが周りを見ないで一気に車が通る道路に走って行ったとしたら、ミズ ビーが車に弾かれて命を落とす可能性が高い、、、、だとすれば、誰が? この犬を? 』
 
 
 
 
と不安になった。
 
 
 

現に、彼女にしても、

 
 
 
 
『 なぜ、よりによって、こんな超ハイパーで元気があり過ぎるような犬が、運動大嫌い、アパートの周りでさえ歩いたことがないインドア派の彼女の前に現れたのか???』
 
 
 
 
そう思い、人間社会では良く言われる 『 性格の不一致 』のようで、ミズ ビーとの出会いが不思議でもあり可笑しくもあった。
 
 
 
仔犬のミズ ビーと向き合って、
 
 
 
 
「 なぜ、私を ? そうかー、誰も貰ってくれなかったから仕方なかったのかー、、、、」
 
 
 
 
と言って、ミズ ビーが嬉しそうに彼女に肉球を叩くようにして押し当てて来て、
 
 
 
 
「 わかったよ。私だから、ミズ ビーが選んだんだって誇れるように、マミー、ミズ ビーを幸せにするために頑張るからね!」
 
 
 
 
と言って、その後、一緒にじゃれ合ったのを彼女は憶えている。
 
 
 
彼女の生活は、ミズ ビーと共にインドア派からアウトドア派に成らざるおえなくなったわけだが、
 
 
 
その頃、長い間、彼女の心をむしばんでいた暗い影も不思議と消え失せて行った。
 
 
 
毎日、ミズ ビーと一緒にサンシャインを全身に浴びて歩き、夜は、心地良いクールなエアーに一緒に当たりながら、
 
 
 
 
『 これを幸せっていうのかなぁ、、、、幸せだなぁ、、、、』
 
 
 
 
と彼女は思った。