今日のジギルと明日のハイド

彼は、彼女に言った。

 
 
 
 
「 最近の君は、すっごくナイスな日の翌日には、顔付きまで変わって、すっごくビターになって、また、その翌日にはナイスに成ったりしている。その繰り返しなんだ。」
 
 
 
 
と。
 
 
 
 
「 そうかなぁー? 誰でも、良い日と悪い日があるだろうから、その両面を持っていて、それを表に出すか出さないかの違いじゃないのー? 」
 
 
 
 
と、彼女が言い返すと、彼は、
 
 
 
 
「 だけど、君みたいに一日置きに変わるって言うのは、極端過ぎないかー? 」
 
 
 
 
そう言って、みように真顔になっていて、彼女も、
 
 
 
 
『 そんなに、、、、ひどい変わりようだったのか、、、、』
 
 
 
 
と思って、最近の自分について思い出した。
 
 
 
確かに、そうだったかも知れないが、それほどまでに彼を怖がらせてしまったことに、ちょっと可笑しくもあり、気の毒に思った。
 
 
 
彼女は、彼に、年のせいだとは言わせたくなかったし、彼も、そうは言わなかった。
 
 
 
 
「 ミズ ビーがいないからよー! ここで、ペットも飼えない状況にいたら、毎日、ナイスなんかに成れないと思う。」
 
 
 
 

彼女がそう言うと、彼は、渋い顔に成って下を向いた。

 
 
 
ミズ ビーがいた頃は、嫌なことがあっても、純真なミズ ビーの顔を見たり、話しかけたり、撫でたりすると、気分が思いっ切り上向きに成った。
 
 
 
それは、こう、こう、こうで、自分は辛い環境や状況にいるけれど、彼とミズ ビーがいるから、結局は、とっても幸せだと思えるからだった。
 
 
 
 
『 ミズ ビーがいなくなったのは、あなたのせいじゃない。 ペットを飼えない状況をあなたが辛く思っていることも知っている。 私の気分の変化に、どう対処していいのか戸惑って不安に思うことでしょう。 だけど、、、、私は、自分の気持ちに嘘がつけない。 ごめんね。 あなたの前だから正直になれたけど、あなたの気持ちになって考えたりしなかった。 まだまだ、私には、時間が必要なの。』
 
 
 
 
彼女は、彼の横顔を見ながら、心の中で、そう囁いた。
 
 
 
そして、
 
 
 
 
『 ミズ ビーには、私の心の叫びが聞こえているかも知れない。、、、、彼にも、聞こえていれば良いけれど。 』
 
 
 
 
そう思った。