ミズ ビーの夢

彼女は、久し振りに、ミズ ビーの夢を見た。

 
 
ミズ ビーが居なくなってから、ミズ ビーの夢を見る事は度々あっても、ミズ ビーとの距離がそれほど近く、タッチする事が出来て、においも嗅げたのは初めてだったように思った。
 
 
 

彼女が憶えている限りのその夢は、彼が運転する車に、彼女は、いつものように助手席に乗っていて、ミズ ビーに似た犬が、助手席のドアと彼女の間にいて、

 
 
背中をドアに、頭をダッシュボードに押し付けるようにして、ほぼ横向きに、彼女に、お腹を見せるようにして、エンジェル フェイスで、なぜだか、彼女だけをビー玉みたいな生気の無い目でボーッと見つめていて、
 
 
彼女が、その犬の頭をコチョコチョと指で搔き回すと、白いお腹を見せて撫でて欲しいと言っているようだったので、彼女が手で優しく撫でると、犬は顔を仰け反り嬉しそうにしていた。
 
 
夢にありがちな、おかしな点は、
 
 
彼女がミズ ビーだと思っているその犬の顔の表情が一点張りで乏しく、口を開けて犬らしくハーッ、ハーッと息をしていなかったのと、
 
 
手足が無いのか、隠していて見えないかで、
 
 
顔以外は、お腹の膨らみと言い、胴の長さといい、ミズ ビーが三ヶ月位の時の大きさで、その為に、ピッタリと、ドアと彼女の間に収まることだった。
 
 
毛並みは相変わらず良く、とてもソフトでゴールドで輝くように光を放っていた。
 
 
 
夢の中で、彼女は、その犬をミズ ビーだと思いながら、そのような違いがあったために、
 
 
 
『 なんか違うなぁ、、、、なんか変だなぁ、、、、』
 
 
 
そう思っていた。
 
 
 

犬のお腹を撫でた時に、毛の感触と溢れるようなにおいから、

 
 
 
『 ミズ ビーだ! ミズ ビーに間違い無い!』
 
 
 
そう思った。
 
 
 
しかしながら、その後すぐに、全てがブラックアウトして、彼女は目覚めた。
 
 
 
 
 
 
もっと、ミズ ビーと一緒にいたかったのに、、、、
 
もっと、撫でていたかったのに、、、、
 
 
 
 
 
 
夢の後の現実は、彼女には、とても残酷に思えた。
 
 
 
表情が豊かだったミズ ビーの顔が、魂を抜かれた作り物のようだったのは、彼女にとっては哀しかったけれど、
 
 
 
あれほど近くにいて、お腹を見せてくれて、撫でていることを実感できたことは、とても嬉しかった。
 
 
 
そして、ミズ ビーとの現実のお別れが近付いていた時に、
 
 
 
彼女が、ミズ ビーの白いお腹に目を瞑って鼻を押し付けるようにして匂いを嗅いで、
 
 
 
「 この匂い、マミー、大好きだよー! 絶対、忘れないよー!」
 
 
 
と言ったことを、
 
 
 
起きて暫く経ってから想い出した。
 
 
 
 
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