上を向いて歩こう

今夜は、ブラジルでのオリンピックの開会式の様子をテレビで観られる。

 
 
 
世界中の多くの人達が観ることだろう。
 
 
 
数日前に、彼女は、なぜだか急に、国民的歌手とかと呼ばれていた今は亡き坂本 九さんについて想い出していた。
 
 
 
そして、無性に、坂本 九さんの有名な歌、『 上を向いて歩こう 』を歌いたくなった。
 
 
 
歌い出すと、実際に、彼女は、
 
 
 
『 上を向いて歩こう  涙がこぼれないように 』
 
 
 
までしか歌詞を知らなくて、その後は、ハミングが続き、
 
 
 
『 一人ぼっちの夜 』
 
 
 
は憶えていて、そこまで歌う間に顔が涙でクチャクチャに成った。
 
 
 
彼女とは世代がかけ離れていても、彼女が子供の時、まわりの大人達は、特に祖母や母親などの女性達は、
 
 
 
「 キュー ちゃん!」
 
 
 
とか、
 
 
 
「 キュー ちゃんだー! 」
 
 
 
と、坂本 九さんがテレビに映るたびに、まるで、近しい友達に会った時みたいに、とても嬉しそうに呼んでいた。
 
 
 
彼女は、子供ながらに、
 
 
 
『 本当に、良い人って、この人のことを言うんじゃないのかなぁ〜?!』
 
 
 
と、九 (きゅう) ちゃんの顔を見ながら思った。
 
 
 
母親は、九ちゃんについて、誰にでも優しいとか、気取らないとか、思いやりがあるとか、芸能人ぽくなくて人間味あふれた普通の人って感じがいいとかと、多くの長所を並べた後に、決まって最後に、
 
 
 
「 キュー ちゃんの顔が、全てを語っているじゃない?!」
 
 
 
と言った。
 
 
 
こちらで観れた日本の番組の中で、黒柳徹子さんの話とテレビ人生を主題とした連続ドラマがあった。
 
 
 
その中で、徹子さんと一緒に初期の生放送ドラマに出ていた坂本九さんが、外で見かけた捨て犬の仔犬を無視できなくて、スタジオに連れて来て、生放送の出番の時に、その犬とカウチの上で寝ていて、それが全国放送されたシーンがあって、
 
 
 
『 やっぱり、九ちゃんは、私が思っていた良い人だったんだー!』
 
 
 
彼女は、そう思って、とても嬉しかった。
 
 
 
子供の時に『 良い人 』と信じていた九ちゃんは、ある意味で、彼女にとっては、
 
 
 
『 ヒーロー 』
 
 
 
だったのかも知れない。
 
 
 
それにしても、なぜ、急に、九ちゃんを想い出し、『 上を向いて歩こう 』を無性に歌いたくなったのだろうかと思って、ネットで調べてみたところ、
 
 
 
その1日前に、ブラジル出身の日系歌手のマルシアさんが、『 上を向いて歩こう 』をオリンピックの地、ブラジルで歌ったと言うことだった。
 
 
 
偶然と言えば、そうだけれど、彼女には、こんな感じのことが実際に度々あることだった。
 
 
 
そして、彼も、そうだった。
 
 
 
どちらかの一方が、突然、全く、違ったことを言っても、もう一方が、
 
 
 
「 今、それ、言おうと思っていた! 」
 
 
 
とか、
 
 
 
「 ちょうど、そのことを考えていた!」
 
 
 
とかで、今では、珍しいことではなくなって、お互いの顔を見て、頷きながら微笑むだけになってしまった。
 
 
 
しかしながら、坂本九さんのことを彼は知らないと思うので、、、、
 
 
 
もしかしたら、彼の子供の時のヒーローについて考えているかも知れない、
 
 
 
彼女は、そう思った。
 
 
 
そして、
 
 
 
『 九ちゃん、喜んでいるかなー? 九ちゃんの歌が、オリンピックで歌われて! 』
 
 
 
彼女は上を向きながら、そう思った。

 
 

 

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