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Someone

夕食を作る気に成らないと、彼女がメッセージを送ると、彼は相変わらず文句も言わず、チャイニーズのテイクアウトを買って来た。

 
 
 
こんな時、彼女は彼に悪いなぁと思いながら、
 
 
 
もしかして、彼も、時には、テイクアウトの物が食べたいのかも知れない、、、、
 
 
 
と、思ったりする。
 
 
 
でも、いつも、そうとは限らない。
 
 
 
一緒に座っていて、彼女が、突然、
 
 
 
「 ねぇ、夕食の時間だけど、、、、私、今日は、ぜーんぜん、作る気に成らない、、、、あなた、作る気ある? 」
 
 
 
と、彼の横顔を見つめながら訊いた時は、彼は、彼女と目を合わせる事なく、下を向いて辛そうな顔をした。
 
 
 
そして、
 
 
 
「 俺も、作る気に成らない。」
 
 
 
そう言った。
 
 
 
彼のその顔は、彼女に、『悪妻』と言う言葉を思い浮かばせた。
 
 
 
それと同時に、彼が、何故、彼女が、そう言う事を言うのかを理解しているかのように思えて、彼の優しさを思いやる気持ちに欠けた自分に、彼女は冷たさを感じた。
 
 
 
メッセージを送った後は、彼の表情が見えないので、彼女は、一緒に居た時の彼のあの辛そうな顔を思い浮かべ、少しだけ辛かった。
 
 
 
チャイニーズのテイクアウトを持って帰宅した彼は、何も言わず、事務的にフードが入ったプラスチックの袋をダイニングテーブルの上に置いた。
 
 
 
彼女が袋のリボンをほどいて中を覗くようにして見たら、フードが入ったテイクアウト用の容器とペーパーナプキン以外に箸袋が入っていたのと、独特の匂いから、
 
 
 
「 チャイニーズ、買って来てくれたのー? ありがとうー!」
 
 
 
そう言って、中に入っていた全ての物を袋から取り出し、フォーチュンクッキーを見つけて、嬉しそうにテーブルの端に置いた。
 
 
 
フォーチュンクッキーの中に入っている紙には、決して悪い事は書かれていないので、彼女は好きだった。
 
 
 
それは当たり前と言えば、そうで、悪い事が書かれていたら、誰もが、もう、そのレストランの食べ物は食べたくないと思うだろう。
 
 
 
二人とも、いつものように食べ過ぎて、お腹が一杯になっても、いつもの癖のように、どちらとも無くフォーチュンクッキーに手を伸ばし、そして、引っ込めた。
 
 
 
「 君から選んでいいよ。」
 
 
 
彼が、そう言ったので、彼女は、素早くクッキーの一つを取って、すぐに割って予言の紙を取り出すと、そこには、
 
 

 

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( あなたは、誰かのライフにサンシャインをもたらすだろう。)

 
 
 
「 誰のライフだろう? ミズ ビーが生まれ変わった時のライフかな? 」
 
 
 
彼女が、そう言うと、彼は、
 
 
 
「 Somebody じゃなくて、Someone だから、動物だとも言えるなぁ〜。」
 
 
 
そう言って、微笑んだ。
 
 
 
でも、いつ、それが起こるのだろう?
 
食事は作りたくなかったら無理はしない。
 
悪妻と他人から呼ばれてもかまわない。
 
こんなフォーチュンクッキーをもらえるのなら!
 
 
 
そう思うと、彼女の気持ちは、急に上向きに成った。
 
 
 
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